文化庁芸術祭参加公演「炎ーen ほのお」公演無事終了しました!
平成29年度(第72回)
文化庁芸術祭参加公演 無事終了しました!
日本の語り芸術を高める会第5回
「炎ーen ほのお」公演
「貴船菊」 「金沢橋ものがたり(子母澤類作)より
貴船明神を舞台にした小説。生涯燃え続ける、女の中の炎…。
笛 望月美沙輔 鳴物 梅屋貴音
かたらい ~語り部・かたりすと平野啓子と原作者~
(左)鳴物:梅屋貴音さん、(中央)平野啓子、(右)笛:望月美沙輔さん
上演作品の「貴船菊」は金沢に伝わる悲恋伝説がもとになった小説です。その伝説とは、悪い縁を切るために真夜中に女たちが人目を避け、貴船明神に日本カミソリや裁ちばさみなど、女使いの刃物を納めてお参りするのです。実際にお参りする姿を見た人はいないそうですが、お堂の中から錆びついた刃物がきっしりと積まれているのを見た人がいるそうです。実在したその風習・伝説と小説を組み合わせ、さらに、子母澤先生との「かたらい」のコーナーを設け、取材秘話をご披露していただき、また、小説を声にしたときの黙読との違い、朗読と語りとの違いを掘り下げました。日本の語り芸術を高める会としてふさわしい公演にしたいと、そうしたプログラムにしたのです。
演出についても少しご報告いたしましょう。私自身は、「貴船菊」を声に出してみて初めて、現代文なのに古典的な味わいの出せる作品だと気づき、邦楽の笛、鳴物を入れました。しかもそれは、BGMでもなく、効果音としてだけでもなく、語りの合間の演奏でもなく、声とともに競演・ハーモニーする部分がふんだんにある演出方法で、そのことにより、時空間、奥行きがさらに広がり、より幻想的な世界が創造できたのではないかと思います。